意根とは何か、五蘊とは私がそれである

意識が滅びた後に残るものこそが、衆生の考える「我」である。この我は生死輪廻の真の根源であり、一切の無明を具え、一切の煩悩を備えている。この我によって、後世の無量劫にわたる生死の苦報と苦受が生じ、後世の一切の善悪業行と業種、および様々な因縁果報が現れるのである。

この我のあり様がそのまま我の本質である。この我に無明がなければ、我には無明がない。この我に煩悩がなければ、我には煩悩がない。無明なき我をもって胎に投ずれば、我は仏となる。煩悩なき我をもって胎に投ずれば、我は阿羅漢となり、あるいは地に入る菩薩となる。一切の煩悩を具えた我をもって胎に投ずれば、我は完全な凡夫となる。善法の多いこの我をもって胎に投ずれば、我は善人となる。

この我の原初の姿がそのまま我の本質である。この我に様々な煩悩がなければ、多くの劫にわたる修行の時を省略できる。この我に善多く悪少なければ、我もまた善報多く悪報少なくなる。我はこの我が善法を欠き、善法と相応しないことを望まず、この我が一切の善法を具えることを願う。

我はこの我に我見なきことを願い、この我に我執なきことを願い、この我に我慢なきことを願う。この我に貪瞋痴なきことを願い、この我が自らを是とせざることを願う。この我が全ての無明を除去することを願い、この我が一切の善法を具えることを願う。この我が福徳を具えることを願い、この我が広大なる智慧を持つことを願う。この我が徹底的に識を智に転ずることを願い、この我が完全に無我となることを願う。この我が慈悲喜捨を具えることを願い、この我が広大なる願力を持つことを願う。この我が一切の衆生を憐れみ、一人も見捨てないことを願う。この我が無量の徳能を具えることを願い、この我が全ての衆生の依り所となることを願う。

要するに、我はこの我が我の望む如く、一切の悪を断ち一切の善を具えることを願うのである。