衆生無辺誓い度す
煩悩無尽誓い断つ
法門無量誓い学ぶ
仏道無上誓い成す

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日常開示

2020年08月03日    月曜日     第2 回の開示 合計2509回の開示

音の錯覚

甲が発する声を、乙は傍で聞き、丙は電話を通じて聞き、丁は録音装置を通じて聞き、戊は金属パイプを通じて聞き、己は真空パイプを通じて聞き、庚は壁越しに聞き、辛はドア越しに聞き、壬は拡声器を通じて聞きます。これらの人々が聞く音に違いはあるでしょうか?なぜでしょうか?真空伝導を経た音、空気伝導を経た音、金属伝導を経た音、空管伝導を経た音は、耳識が認識する音にそれぞれ差異が生じます。

音声は四大物質色法に属し、その伝達には媒体を必要とします。媒体がなければ伝達できず、媒体が異なれば障害も異なり、伝達速度も変化します。障害とは何を指すのでしょうか?四大微粒子が伝達過程において媒体を通り抜けられず、一部が遮断あるいは吸収されることを意味します。通過した四大微粒子は変化を起こし、形成される音声も変容します。通過する媒体が多ければ多いほど、距離が長ければ長いほど、受ける障害は大きく、遮断される微粒子も増え、音声はより変質します。

音声伝達の究極の目的地は勝義根のブラックボックスです。各人の耳根伝達神経と大脳の栄養物質は異なり、勝義根に入る音声への影響もそれぞれ異なります。故に各人が聞く音声には一定の差異が存在します。これが示すのは、我々が聞く音声が真実ではなく、「音声」と呼ぶ実体は存在せず、ただ大量の電気信号と情報に過ぎないということです。我々は皆、仮想の情報世界に生きているのです。

——生如法師の開示
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