衆生無辺誓い度す
煩悩無尽誓い断つ
法門無量誓い学ぶ
仏道無上誓い成す

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日常開示

2020年07月19日    日曜日     第1 回の開示 合計2476回の開示

ブラックボックスの中の死

老いと病の後、四大が深刻に失調し、もはや調和できなくなると、身体は機能を失います。なぜ機能しなくなるのでしょうか。身体の五浮塵根の機能が老化し、外六塵を正常に受信・伝達できず、神経伝達システムが老化し、五浮塵根から来る電気信号を正常に受信・伝導できず、脳および勝義根のブラックボックスが老化硬化し、神経系から伝達される電気信号を正常に受信できなくなると、電気信号を統合して仮想の外相分に相似する内相分の内六塵を形成することができなくなるからです。

勝義根に内六塵が存在しなければ、六識が生起する縁が具足せず、六識は内六塵を弁別する働きを生じることができません。これにより衆生は覚知の機能を失い、意根は手足を失った状態となり、一切の法に対して無力となります。そうなると身体を離れることを決断し、死亡して中有へ入ります。

ブラックボックスが機能不全に陥ると、根塵が接触せず、六識が現起できなくなります。これにより身口意の活動が停止し、五蘊身の活動が終息します。意根が無力を覚悟した時、五蘊身は必然的に死亡します。ここに勝義根のブラックボックスの重要性が明らかです。たとえ五浮塵根が完全に正常で神経伝達も健全であっても、ブラックボックスが異常であれば、意根は六塵境界を覚知できず、やむなく死亡を選択することになります。実際には選択ではなく破綻と言うべき現象です。

なぜブラックボックスがこれほど重要かと言えば、それが六根・六塵・六識が交わる場であり、五蘊活動の場だからです。大千世界の内相分がここで生成され、六識がここで生起します。六識は仮想の大千世界に接触し弁別し、認知し、覚受し、仮想の六塵境界を受用します。俗に「生きる」あるいは「生活」と呼ばれる状態です。ひとたびこの生を維持できなくなると、意根は必然的に新たに生きられる場所を求め、新たな生活を開始するのです。

——生如法師の開示
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