意根は無始劫より飲食に慣れ、定時定量の食事に慣れ、美味なる飲食に慣れて参りました。もし意根に断食や穀断ちを求め、その飲食習慣を改めようとするならば、少しずつ食事を減らしていく必要がございます。急に飲食を断つことはできず、意根に適応の過程を与え、心理的準備を整えさせねばなりません。意根が少量の飲食に適応した後こそ、完全に飲食を断つことができ、抵抗や反発も起こさず、たとえ七日間食事を取らずとも、半月、一二ヶ月と経過しても身心に異常を来たさず、むしろ精神が旺盛となるのでございます。
意根の習性は極めて深く微細で気付き難く、慣れ親しんだ人事物理に対する執着は甚だしいもの。ただ一歩一歩、知らぬ間にその習慣を転移させ、軽減してこそ、徐々に習慣を改め、執着を和らげることができるのでございます。
同じ方法をもって波舟三昧の修習も可能でございます。九十日間眠らず臥さず坐さず、意根の睡眠と坐臥の習慣を改め、常に念仏に精進し、身心を変化させて仏と相応じ、明心開悟に至るのでございます。修習にあたっては、まず一日一夜眠らず臥さず坐さずより始め、次に三日三夜の修行を経て慣れた後、七日夜へと進み、順次二十一日夜、四十九日夜を経て、遂には九十日間を堅持できるようになります。心中に念仏を継ぎ、一心不乱に仏力の加護を受けつつ修行を続ければ、必ずや堅持でき、明心証悟に至るのでございます。
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