衆生無辺誓い度す
煩悩無尽誓い断つ
法門無量誓い学ぶ
仏道無上誓い成す

生如法师のウェブサイトロゴ

日常開示

2019年12月02日    月曜日     第1 回の開示 合計2069回の開示

『楞厳経』第五巻二十五聖円通法門の月光童子

原文:月光童子即ち座より起つ。仏足を頂礼し、而して仏に白しき。我、往昔を憶うに恒河沙劫、仏の出世したまう有り。水天と名づく。諸の菩薩を教えて水観を修習せしめ、三摩地に入らしむ。身中を観ずるに水性奪うこと無し。初め涕唾より始め、是の如く窮尽し、津液精血・大小便利、身中に旋復する水性は同一なり。水を身中に見るは、世界外の浮幢王刹・諸の香水海と等しく差別無し。我、此の時に於いて初めて此の観を成ず。但だ其の水を見るのみにて、未だ身無きを得ず。

釈:月光童子が座より起立し、仏足を頂礼して申し上げた。私が恒河沙劫の昔を回想すると、水天仏という仏が現れ、諸菩薩に水観の修行を教えられました。私は三摩地に入り自身の色身を観察すると、水性が湛然として得失無きことを悟りました。最初は鼻水や唾液から観察を始め、次第に全身内外を遍く観じ、津液・精血から大小便に至るまで、体内を循環する水性が全て同一であると観じました。身中の水大は、外界に浮かぶ宝幢王刹の香水海の水界と全く異ならないことを見ました。当時私はこの観行を初めて成就しましたが、未だ色身を空じる境地には至らず、身体の覚知と執着が残っていました。

原文:比丘と為る当たり、室中に安禅す。我に弟子有り、窓を窺って室を観るに、唯清水の遍く屋中に在るを見て、了て見る所無し。童稚は無知にして、一つの瓦礫を取って水内に投じ、水を激して声を作し、顧みて去る。我、出定後に頓に心痛むること、舎利弗の違害鬼に遭えるが如し。我、自ら思惟す。今我已に阿羅漢道を得て、久しく病縁を離れたり。何ぞ今日忽ち心痛を生ずるや。将に退失せんとするか。

爾時、童子即ち我が前に来たり、上記の事を説く。我すなわち告げて言く。汝更に水を見たらば、即ち門を開き、此の水に入りて瓦礫を除去すべしと。童子教えを奉じ、後入定する時、還た水を見るに、瓦礫宛然たり。門を開きて出だし除く。我、後に出定して身質初めの如し。無量仏に逢い、是の如くして山海自在通王如来に至り、方て身を亡し、十方界の諸香水海と性を合わせて真空と無二無別なり。今如来に於いて童真名を得て、菩薩会に預かる。仏の円通を問うに、我は水性を以て一味流通し、無生忍を得て菩提を円満す。斯れ第一と為す。

釈:当時私は比丘として禅室で坐禅していました。弟子が窓から室内を覗くと、清水が満ちているだけで何も見えませんでした。子供だった彼は修行の境界を理解できず、瓦切れを投げ入れて水音を立て、辺りを見回して去りました。私が禅定から出ると突然胸が痛み、舎利弗が危害鬼に遭った時のようでした。思案するに、既に阿羅漢果を得て病縁から遠ざかっているはずなのに、なぜ急に胸が痛むのか、果位を退転したのかと。

童子が事情を報告したので「次に水を見たら入室して瓦を取り除くように」と指示しました。再入定時、童子は再び室内の水と瓦を確認し、除去しました。出定後、身体が軽快になりました。その後無量仏を経て山海自在通王如来に出会い、ついに色身を超越し、十方世界の香水海と真空一体となる境地を証得しました。今如来の下で童真の名を授かり菩薩の仲間入りを果たしました。円通を問われ、水性の一味流通を観じ無生忍を証し菩提を完成したことが第一の修行であると答えました。

——生如法師の開示
前の記事前の記事

中阿含経第十漏尽経(三)

次の記事 次の記事

『楞厳経』第五巻二十五聖円通法門の弥勒菩薩

ページのトップへ戻る