衆生無辺誓い度す
煩悩無尽誓い断つ
法門無量誓い学ぶ
仏道無上誓い成す

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日常開示

2019年11月13日    水曜日     第2 回の開示 合計2029回の開示

『楞厳経』第五巻 二十五聖円通の法門における憍陳如と五比丘

世尊は諸々の大菩薩たち及び漏尽の大阿羅漢たちに広く告げられた。「汝ら菩薩及び阿羅漢よ、わが法の中に生まれ、無学を得て成じた者たちよ。今われ汝らに問う。最初に発心して十八界を悟った際、何が円通であったか。どの方便によって三摩地に入ったか」

驕陳那ら五比丘は即座に座より立ち上がり、仏足を頂礼して申し上げた。「私は鹿苑及び鶏園において、如来が最初に成道された姿を観見し、仏の音声によって四諦を悟明しました。仏が比丘たちに問われた時、私は初めて理解を申し上げ、如来は私を阿若多と認証されました。妙音の密円を、私は音声によって阿羅漢を得ました。仏の円通についての問いに対し、私が証得したところでは、音声が最上であります」

釈:世尊は諸大菩薩と阿羅漢たちに言われた。「汝ら諸大菩薩と阿羅漢は、わが仏法の中に生まれ、四果の無学を成就した。今汝ら一人一人に問う。最初に発心して十八界を悟証しようとした時、どの界を円通法門とし、いかなる方法によって修行し、三摩地に入ったか」

驕陳那五比丘は直ちに座より立ち上がり、仏足を頂礼して申し上げた。「私たちは鹿野苑と鶏園で、如来様が最初に成道された様を目の当たりにし、四聖諦の苦・空・無常・無我を説かれる仏の音声によって四聖諦を悟りました。仏が五比丘に四聖諦理の修証状況を問われた時、私たちは四聖諦を証解したばかりでしたが、如来様は私たちを阿若多と認証されました。仏の微妙な法音によって秘密円通を悟明し、音声という声塵において阿羅漢果を証得しました。仏が円通法門を問われたことについて、私たちが証得したところでは、音声による悟りが最も勝れております」

憍陳如ら五比丘は、仏が初めて出家して雪山で修道された時から、常に仏に随行して共に修行していました。当時仏は外道に従って四禅八定を修めており、憍陳如もまた仏と共に四禅八定を修め、他に修行法はありませんでした。仏が四禅八定を証得した後も解脱の大智慧を得ず、成仏もされなかったため、世尊はただ禅定を修めるだけでは解脱を得られず、成仏の修行法ではないと悟り、禅定偏重の修行法を捨てられました。

当時仏は一日に一麻一麦のみを食し、骨と皮ばかりに痩せ衰えられましたが、仏は苦行のみでは悟りを得られないと気付き、苦行を捨てて尼連禅河で沐浴されました。沐浴後、牧羊女から乳粥の供養を受け、食された後、菩提樹下で改めて仏法を参究されました。

憍陳如五比丘は仏が禅定も苦行も修めなくなったのを見て、仏が退転したと考えました。そこで五比丘は仏のもとを離れ、別の場所で修行を続けました。仏が成道された後、五比丘を訪ねて四聖諦理を教えられると、彼らは直ちに阿羅漢果を証得しました。

五比丘が速やかに証果を得た理由は、彼らの禅定基盤が極めて優れており、四禅八定を具え、戒律も厳格に守られていたためです。仏の説法を聞くや、瞬時に禅定中に観行の結果を得て証果しました。戒・定・慧が具足して初めて証果が可能であり、禅定がなければ改めて禅定を修め、観行思惟する必要があり、証果の時期も不定であったでしょう。故に仏法の成就は戒律を離れず、深甚な禅定を離れず、観行智慧を離れることはできません。仏が菩提樹下で明星を観じて悟道成仏されたのも、外道で修めた四禅八定の基盤があってこそであり、四禅八定がなければ仏も悟道成仏は不可能でした。

故に苦行は道ではないが、苦行を離れても道はありません。適度な苦行は道心を培い保持し、出離心を育みます。享楽の中では出離心も道心も生じ難いのです。外道の四禅八定は生死解脱をもたらしませんが、四禅八定を離れても生死解脱はできず、仏道を成就することはできません。

憍陳如五比丘は十八界中の声塵界において円通を悟得し、他の二十四聖はそれぞれの塵界において円通を悟得したのでした。

——生如法師の開示
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