出入有る法は生滅変異の法にして、常住の法にあらず。故に第八識もまた無余涅槃に入らず、無余涅槃より出ずることもなし。第八識は無余涅槃の内にも在らず、無余涅槃の外にも在らず、無余涅槃と一ならず異ならず。
第八識は世俗の遺棄する法にして、世俗の一切の法と伴侶とならず。世俗法たる五蘊十八界の滅び去りたる後も、第八識はこれに随って滅び去ることなく、安らかに独立す。故に無余涅槃有るなり、然らずんば無余涅槃さへも無かるべし。若し五蘊十八界の滅び去りたる後一切を了し、何ものも存在せざらんには、後世後々世も無かるべし。五蘊十八界の出生したる後も、第八識はこれに随って出生せず。第八識は本来より有り、現々成成として、出生を要せざるが故なり。
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