第八識の勝解心所法

五別境心所法において、第八識には勝解心所法が存在します。第八識が業種を了別し、五蘊身を了別し、器世間を了別し、意根の心行を了別した後、これらの法を正確に了知し、合理的に認知し、さらに心が忍可随順するに至って初めて造作が生じます。この過程が勝解です。もしこれらの法を正しく解釈できなければ、以降の一切の法の生成と変化を合理的に如実に起こすことができません。例えば第八識が意根の思心所の抉択を了別した後、意根の抉擇が何であるかを正確に了知し、かつ意根の抉擇を認可して初めて、意根の心思に随順して法を変造できます。もし第八識が意根の心思を勝解できなければ、法を錯乱して出生・変更することになり、正常に意根と協調できず、世界は混乱に陥ります。

また例えば第八識が業種を了別し、業種が何であるかを勝解すれば、業種に基づいて法を出生する方法を知ることができます。もし業種が何であるかを勝解できなければ、正常に法を生じることができず、世の中は大混乱に陥ります。業種がこの人物が交通事故に遭うべきであると示しているのに、第八識が正確に了別できず、この情報を勝解できない場合、事故が発生しないばかりか、身体の病気が消滅したり、出世や財産形成が起こったりすれば、因果が如実に実現されず、善に善報がなく悪に悪報がなくなり、世の中は正常でなくなります。

さらに例えば第八識が六塵を了別した後、六塵の現状を勝解できなければ、四大種子を正常に出力して六塵を継続的に執持することができず、六塵は如実・合理・正常に生滅変異できなくなります。因果が錯乱します。第八識が五陰身が摂取した飲食を了別しながら、それがどのような栄養素であるかを勝解できない場合、これらの栄養素を縁として色身を変造・変更・執持することができません。本来なら色身をより強壮健康にすべきところ、かえって色身を虚弱にさせれば、このような結果は正常ではありません。したがって第八識が因果律則を如実に実現できる以上、必ず勝解心所法が存在し、世界が合理的であると説かれます。