色身の修復と念の関係

気を丹田に沈めるには、深く呼吸をして気を下へと導き丹田に達するよう心がければよい。観想と組み合わせ、気が丹田に流れ込むことを観想すれば、気を丹田へ導くことができる。気は意のままに従い、意が向かうところに気血もまた向かう。この「意」には意根の意と意識の意とがあるが、気血の運行を導けるのは意根の意のみであり、意識の意が導けるのは意根だけである。

色身における機能作用は、一つには如来蔵単独の働き、もう一つは意根と如来蔵が和合して共同でなす機能作用である。平易に言えば、色身の機能作用の大部分には意根による作意の要素が含まれており、意根の意が及ばないところでは多くのことが成し遂げられない。丹田に対して意識がどれほど意を向け守ろうとも、何ら効果は得られない。ただし意識の意が成功裏に意根を導き、意根もまた意を発動した時に限り効果が現れる。意識による丹田の守りは仮の守りに過ぎず、気はそれに従わない。意識は気や血を導くことはできず、意根を導くことだけが可能である。これが意識の最大かつ最も有用な能力である。

色身の組織細胞の修復と調節にも、一部では意根の参与する作用がある。もし意根が積極的に協力し、楽観的な態度を持ち、焦らず苛立たなければ、身体の正のエネルギーは上昇し、修復は速やかに進む。色身の修復において、意根が参与する場合としない場合では差異が甚だしい。例えば鍼灸治療の際、針先に意念を込めると効果が極めて顕著かつ迅速に現れ、色身は即座に変化する。もし真気を修得した者がその気を鍼灸に用いれば、効果はさらに増し、身体の四大を速やかに変化させるに足り、色身の回復は非常に速く、即座に恢復することさえあり得る。体内に真気が運行している場合、手掌を以て他者の背部に気を注ぎ込む際、意念が強ければ強いほどより多くの気が身体に入り、気の運行が速やかであれば身体は直ちに改善され、気血が身体に満ちれば健康となる。

意の赴くところに気もまた至る。故に色身の修復において、意根が能動的に参与すれば回復は極めて速い。意の届かないところでは運行は円滑でなく、あるいは全く運行しない。例えば食事中に注意力が散漫であれば気血も分散し、消化は良くない。食後直ちに精神を集中して問題を考えれば、気血は脳部位に集まり、胃臓の気血が不足して消化にも影響し、長く続けば胃病を招く。また大小便の際に注意力が散漫であれば排泄は円滑でない。意が去れば気も去り、意があれば気もある。故に意念の作用力は非常に大きい。この意念の力は如何にして生じるのか。定力が増すにつれて心力も増強され、心力とは即ち意念力である。