連なる五蘊身の仕組みを解明する

一対の双頭の結合体姉妹がおり、身体の大部分を共有している。心臓より上の部分はそれぞれ独立しており、各々が独立した腕一本と脚一本を有し、中焦と下焦は一部を共用している。身体全体の二分の一から三分の二がそれぞれ独立した部分である。姉妹の脊椎は骨盤部で融合しており、一部の神経系統を共有し、同一の生殖器官を使用している。二人は共に自転車に乗り、球技をし、泳ぎ、自動車を運転することができる。

 二人は共に母胎に入り住胎し、胎内において両者の如来蔵が共同で業種に基づき身体の共通部分と各々の相違部分を形成した。当然ながら彼女らは共通の業種を有し、前世において共同の業行をなしたため、関係が極めて密接で多くのものを共用した結果、今世では一つの身体を共有せざるを得ず、緊密に協調して生活しなければ双方とも生存できない。これが業障である。極めて不自由で非独立の業障である。故に人々の関係は適切な距離を保つべきで、過度に親密になるべきではなく、来世において如何様になると誓うことも慎むべきである。未来世において実際にその様な状態になっても、必ずしも楽しいものではなく、甚だ苦痛に満ちたものとなり得る。

 二人の如来蔵は同一の業種に基づき、四大種子を出力して共通の四大となり、和合運作によって身体の共通部分を形成する。各々独立した部分については、各々の如来蔵が単独で四大種子を出力して形成する。色身がやや完成すると、二つの如来蔵は各々意識を生じ、二つの覚知が現れる。胎満すると共同で出生し、結合体姉妹となる。幸い二人は同性である。もし異性であれば共同生活は甚だ困惑を来たしたであろう。

 二人の手と脚は共同で協調する必要があり、飲食・着衣・歩行等の五陰の活動も二人の共同協調と調和を要する。頭脳思考は各々異なり、習気・嗜好も様々で、性格・気質・性質も相違する。結合している以上は互いに譲り合って調和せねばならず、さもなければ極めて不愉快となる。二人は各々呼吸と心拍を有し、飲食は各々の胃に入る。個人の飲食は個人で飽くが、胃以下の消化系統は共通部分を有し、これらの飲食を共同で消化した後、共通の排泄系統で排出する。各々が別々に食事しても相互に影響を及ぼし、一人が病めば他方が代わりに薬を服用し得る。

二人は一部の神経系統を共有するため、外界への反応と対応は概ね一致する。二人の意根は性情が異なり、対応方法に微妙な差異があっても、善縁あるが故に共通の人事物への対応では互いに協調し譲り合う。ここに見るように、二つの如来蔵の分業協力は実に微細かつ微妙である。如来蔵は遍知である故、業種が許す限り、言葉や心念を用いずに密接な協調を成し遂げる。これは真に不可思議である。

 六識の中で、二人の身識の相互協力が最も頻繁で、殆ど常に協調を要する。さもなければ何事も成し得ない。神経系統が連動しており、相互に感知し得るからである。二人の眼根は各々の頭部にあり、眼識は各々使用するが、一つの身体にあるため視界は制約を受ける。耳根は二つの頭部にあり、各々耳識を有し別々の音を聞く。鼻根は各頭部にあり、各々鼻識で香りを嗅ぎ分ける。舌根は各頭部にあり、各々舌識で味わいを弁ずる。意根は各々別個で、意識は各々の勝義根にあり、異なる法を思惟弁別する。

二人の五陰身が活動する時、二組の八識は互いに緊密に協調する。各々分業し、十六識が分業協力する様は、八識より遥かに複雑である。腹部下焦の共用部分が多く、殆ど全てを共有するため、消化排泄時には心を一処に合わせ、共同意念と共同感受が必要で、互いに分離できない。病時は二人共に病んだことに等しく、疼痛時は同時に痛むが、各々の身識と意識が別々に病痛を感じるため、感受に若干の差異が生じる。

 七識の中で最も密接に関連するのは二つの身識の協調である。一つの身体を共用するため協調は極めて迅速で、ほぼ無縫に近く、全く違和感がない。最も肝要なのは二つの意根の指揮運作である。双方の我執が強く習気が全く相反すれば、頻繁に争うことになる。善縁あれば、性格・気質・習気・嗜好が異なっても良く調和し、心を一処に合わせ互いに配慮し合い、最大の受用を得る。

 就寝時、二つの意根が一致して横たわることを決定し、身体を勝手に動かさない。一方が眠り六識が滅すれば身識も滅する。他方が未だ覚醒中に身体を動かせば、相手の意識身識を生起させ目覚めさせる。思惟が過ぎれば相手の睡眠を妨げる。共通の神経系統がなくとも、心念力の磁場力が影響を及ぼす。ここには多くの秘密が関わる。

 一人の身体が次第に機能しなくなるか、あるいは生死を迎えると、その人に属する色身の機能は停止する。頭部が機能せず勝義根が破壊され、腕と脚が不活性化し、心臓停止で内臓も機能しなくなる。他方が生存していれば、不全な身体を辛うじて使用するが、機能は甚だ制約を受ける。生死を迎えた部分を完全に切除できぬため疾病を伝播する。疾病伝播を防げても機能欠損により生存者の五陰機能は大きく阻害され、生活は極めて不便で生命の質は著しく低下し、寿命も永らえ得ない。

 生命あれば苦受あり、ましてや正常ならざる生命、二つの身体が結合した生命の苦は更に甚だしい。しかし衆生は生に執着する故、苦を感じず却って享楽を求め続け、苦を以て楽と為すことさえある。衆生はかくの如く無知で愚痴深く、貪欲極まりない者は如何に苦しくとも、苦からの離脱を求める発心は起こさない。智慧あれば愚痴なく貪求せず、苦を知り断離を求める。故に解脱の根本は智慧にある。