如来蔵の不動性

如来蔵の動かないのは心の思いや念いであり、その心は境界の来去に従って動転せず、一切の境界相を執取しません。しかし心が動かない時にも、刹那刹那に万法を生じ出し、万法を維持しています。一切の法はこれより生じますが、その働きは極めて多いにもかかわらず、心の本性は清浄無為であり、思いや念いも動かず、繁忙さも感じません。五蘊七識がどのような業行を造作しようとも、如来蔵はそれに従って思いを動かすことなく、何らの考えも持ちません。いかなる業種が現前しようとも、如来蔵には情緒や感覚がなく、ただ業種に随って諸法を現出させますが、一切の法と関わりなく、東西南北の風が吹こうとも須弥山の如く安らかに動じません。これは縁に従って変化せず、縁に従いつつも変わらず、染汚を受けず、俗流に従って自性を失わず、万法と合流せず、万法を伴侶としない、これらが即ち如来蔵の体性であります。