法住智は過去と未来を知るが、これは現量知であるか、それとも比量知や非量知であるか？

法住智があれば解脱を得ることができます。ですから、法住智とは十二因縁の法を現量において証得する智慧です。たとえ過去未来を知ることができても、それは現量による知であり、比量ではありません。比量によって知る智慧は浅薄で、ある法に依存しなければ知り得ない智慧は信頼できず、究竟的なものではありません。一旦依り所とする法が現れなければ、比量による知は消滅してしまいます。比量の知には意根が自ら参究する過程がありませんから、意根は親証できず、意識も単独で知ることはできません。推論のうち一部は比量に属し、一部は非量に属します。たとえ正しく推論できたとしても、それは現量ではありません。なぜなら意根が知らないからです。意根の知は、知るときは知り、知らないときは知らないというように、非常に速やかに境界線が生じ、当体に現前します。意識によるゆっくりとした思惟研究を必要としません。

ある人が「過去と未来を見ることができない以上、過去と未来の法は現前し得ないのだから、過去と未来の法については比量による知であるべきだ」と言いましたが、このような説は正しくありません。いわゆる現前とは必ずしも眼前に現れることを要しません。智慧は眼識によって起こされるのではなく、意識と意根が共同して起こすものです。意識と意根は完全に過去未来の法を証知し証実することができます。特に意根は根本的に時間と空間の障害を受けず、如来蔵に随って一切の法を知ることができます。過去世の法は思い起こそうとすれば思い起こせ、未来世の法は了知しようとすれば了知できるのです。夢境や定境がこの点を明らかにしています。ですから、意根が知らないものは現量の智慧ではあり得ず、意識が現量で知る時でも、意根が必ずしも現量で知るわけではありません。意識の知は様々な因縁によって無視されたり取り消されたりするのです。