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日常開示

2022年06月04日    土曜日     第1 回の開示 合計3639回の開示

集諦四行による集諦相の明らか

〈瑜伽師地論第三十四巻〉

四聖諦の十六行相を修習することにより、四聖諦の相を明らかにすることができる。無常・苦・空・無我の四行相によって苦諦の相を明らかにし、因・集・起・縁の四行相によって集諦の相を明らかにし、滅・静・妙・離の四行相によって滅諦の相を明らかにし、道・如・行・出の四行相によって道諦の相を明らかにする。既に十種の行相によって苦諦を観察し苦諦の四行相を悟入することは述べ終えた。次に如何にして集諦の四行相を修習し集諦の相を明らかにするかを説く。

**原文**:

復た四行によって苦諦の相を正しく覚了し終わりて後、次にまたこの苦諦を観察す。何が因であり、何が集であり、何が起であり、何が縁であるか。それらを断ずることによって苦もまた随って断たれる。かくの如く即ち集諦の四行相をもって集諦の相を了知す。すなわち、愛が苦を引き寄せるゆえに因と名づけ、既に苦を引き寄せた後、再び招き集めてこれを生ぜしめるゆえに集と名づけ、既に苦を生じた後、それを起こし現前せしめるゆえに起と名づけ、さらに将来の諸苦の種子を摂受し、次第に諸苦を招き集めるゆえに縁と名づけることを了知する。

**釈**:

苦・空・無常・無我の四行相によって、苦諦の相を如実に誤りなく覚悟した後、再びこれらの苦諦が現れる因は何か、如何に集積されたか、如何に生起したか、何を縁として現れたかを観察する。この四行相を断ずることで苦もまた断たれる。故に集諦の四行相を観察して集諦の相を断ずるのである。

集諦の因は愛である。愛があるが故に取が生じ、取を得るも得ざるも苦相を有し、後世の有が生じ、生相が現れると苦相が現前する。苦の根源である貪愛を断じて初めて苦を断ずることができる。愛の因は受であり、受の因は触である。触と受があっても、触れ受ける際に貪愛がなく、所触所受に心を留めなければ、後世の苦は現れず集諦は滅する。今の愛が苦を引き起こす因であり、愛の集起が苦を生じさせ、愛の集は即ち苦の集である。苦が生じた後、苦受が現起することを苦起という。愛が未来の苦の種子を摂受し、愛が招き集めるものは全て苦の種子であり、未来の苦を生じさせる。愛・取・有・生・老が次第に諸苦の集起を招引する故に、愛は苦の縁である。

集諦は十二因縁の一環に属し、解脱の道において声聞法と縁覚法は互いに含摂し共通点を有する。独立した縁覚法も声聞法も存在せず、ただ二つの法が関わる次元の深浅に差があるのみで、解脱に違いはない。

**原文**:

復た差別あり。愛が取の因であることを了知し、再び招き集める。即ちその取を因として有を成し、さらに生起すべきものの上首として将来の生を引き起こし、また生を縁として老病死等の諸苦法を引發することを了知する。その相応する所に随って、因・集・起・縁の四行相と名づけることを知るべし。

**釈**:

四行相には差別があり次第が異なる。愛が取の因であることを了知し、愛がさらに招き集め、取が後世の有の因となり、有を縁として後世の五蘊が生じ、生を縁とする老病死等の諸大苦聚を引發する。四行相の次第に従い、それぞれ因・集・起・縁と説く。

**原文**:

復た差別あり。煩悩随眠が愛随眠等に附属し所依することを正しく了知すれば、これが当来世の後有を生む因である。またその生じたる纏(煩悩の現行)が相応する所に随って集・起・縁であることを正しく了知する。後有愛は招引する故に即ちその集であり、この後有愛はさらに喜貪と俱に行う愛を発起し、この喜貪俱行愛はさらに多種多様の彼彼の喜愛を縁とする。かくの如く愛随眠等及び三種の纏を依止すれば、後有を生じ、諸愛の差別を発起することができる。故に因・集・起・縁と名づける。かくの如く行者は四行相によって集諦の相を了知する。

**釈**:

四行相には更なる差別がある。煩悩随眠が愛随眠に附属し、愛随眠を依り所として存在することを正しく如実に了知する。愛がなければ煩悩もなく、愛を断ずれば煩悩も断たれる。愛随眠は未来世の有を生じる因である。愛随眠から生じた煩悩の纏(現行)は、それぞれ集・起・縁の三行相に相応する。煩悩の纏は苦の種子を集起し、苦を現行させる縁となる。

煩悩随眠が後有の愛を招引する故に、煩悩随眠は後有の愛を集め、さらに喜と貪を伴う愛を発起する。この喜貪俱行愛は様々な喜愛の縁となる。このように愛随眠等及び三種の纏(愛纏・喜纏・貪纏)を依止すれば、後世の有が生じ、種々の愛の差別相が現れる。故に因・集・起・縁の四行相と説く。愛随眠があれば煩悩の纏が生じ、三種の纏によって後世の有は必ず生じ、苦が現前する。かくして行者は四行相によって集諦の相を明らかにする。

**回向文**:

当ネットプラットフォームにおける全ての弘法と共修の功徳を、法界の一切衆生に回向し、世界の民衆に回向する。世界の平和を祈願し、戦争起こらず、烽火興らず、干戈永遠に止むことを願う。一切の災害ことごとく消退せんことを。各国の人民が団結し助け合い、慈心をもって相対し、風雨時に順い国泰民安ならんことを願う。一切衆生が因果を深く信じ、慈心をもって殺生を断ち、善縁を広く結び、善業を広く修め、仏を信じ学び、善根を増長し、苦を知り集を断ち、滅を慕い道を修め、悪趣の門を閉ざし涅槃の路を開かんことを。仏教の永き興隆と正法の永住を祈り、三界の火宅を極楽の蓮邦に変ぜんことを。

——生如法師の開示
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