衆生無辺誓い度す
煩悩無尽誓い断つ
法門無量誓い学ぶ
仏道無上誓い成す

生如法师のウェブサイトロゴ

日常開示

2018年02月20日    火曜日     第4 回の開示 合計80回の開示

貪瞋痴三毒の毒害作用(三)

私たちの体が不健康な時は、自身の心理状態を点検すべきです。色身を阻害する貪瞋痴に関連する思想や情緒が存在しないか確認します。これらの情緒は最も身体に毒素を生じさせ、身体機能に影響を与えます。身体の不健康は、一つには現世の煩悩による要因、もう一つには前世から持ち越した業力によるものです。前世で造った悪業は、今世の不健康な色身を招き、様々な疾病を伴う色身を現出させます。なぜなら色身は果報を司る存在だからです。現在私たちが貪瞋痴の煩悩を起こして悪業を造作する時、色身の状態は必ず変化し、身体に悪影響を及ぼします。色身に影響が及ぶと、色身は徐々に静かに変化し始め、最初の変化は気付きにくいものです。しかし時間が経過して蓄積されると、色身は質的な変化を遂げ、病状が明らかに現れてきます。

私たちの心理情緒、貪瞋痴の煩悩、および様々な不善なる心の念いが色身の健康に影響を与えます。六識の心行もまた色身に影響を及ぼします。色身が六識の影響を受けて変化するならば、万法を生じさせるのは第八識だけではありません。意根である第七識と前六識、合わせて八識が和合して作用し万法を生じますが、種子は全て第八識に由来します。私たちの色身は刻一刻と変化しており、これは第八識との関係だけでなく、現在の六・七識の心行とも関わりがあります。

対境に対する六識の心が平静で平淡であれば、色身は元の状態を保ち変化しません。六識の心が平静ではなく情緒が急変すると、色身は別の状態になります。例えば心臓がドキドキし、全身が震え、青筋が浮き出て、顔色が蠟のように黄色くなり、唇が紫色になり、ふくらはぎが震え、顔を赤らめて首を太くし、気絶するなど、色身の運行が円滑でなく異常を来します。これは色身の運行状態が六識と七識に関係していることを示しています。万法は三つの和合する識(第八識・第七識・前六識)が共同で顕現したもので、第八識単独で生じたものではありません。これを万法唯識と言います。三界唯心の意味は、三界世間の一切法が第八識に由来し、第八識が種子によって顕現したものだからです。従って一切法は全て第八識から来ています。

第八識は縁に遇えば世間の万法を出生・変化させ、五陰色身を変化させます。これらの縁には当然六識の心行も含まれます。六識の心行が清浄であるか染汚であるか、貪瞋痴の煩悩を有するか否かによって、色身の変化は異なります。貪・瞋・痴・慢・疑・悪見という六つの根本煩悩は、現在の心を毒すると同時に、未来の五陰身心も毒しています。なぜ六根本煩悩が将来にも影響するのでしょうか。造業の種子が第八識に蓄積され、将来この種子が縁に遇って再び現行する時、六識の心行は染汚された状態となるからです。一世また一世と染汚業種が蓄積されるにつれ、貪瞋痴の煩悩は次第に深刻化し、色身はますます不健康になり、正報と依報は徐々に不如意なものとなります。

従って私たち一人一人は、自らの煩悩性障をよく降伏させるべきです。貪瞋痴慢を降伏させれば、他者に愉悦で調和のとれた雰囲気をもたらすだけでなく、最大の利益を受けるのは自分自身です。身体は健康になり、精神は愉快で、心は豁達となり、憂いも悩みもなく、福德が増大します。自らの貪瞋痴煩悩を対治し、全ての煩悩憂いを断ち切れば、周囲の一切が愉快なものとなります。自らは生生世世にわたり煩悩なく、将来は菩薩摩訶薩となり、仏道を成就して三界の尊となることができるのです。

——生如法師の開示
前の記事前の記事

貪瞋痴三毒の害毒作用(二)

次の記事 次の記事

意根の念

ページのトップへ戻る