人の意識の発動過程は、実際には「念を動かす」ことによる測定を経て、その後念頭が生じる。
念を動かすとは、必ず意根が先に念を動かし、その後で意識の念頭が現れる。意根の念がなければ、意識の念も存在しない。公案に参究する際、最終的には意根を公案に繋ぎ止め、念念不忘、朝に慕い夕に慕うことで、初めて参究を突破できる。念頭に具体的な内容がある場合、それは意識の念である。意識の念がまだ生じておらず具体的な内容を持たない段階は、完全に意根の念である。たとえ意識が念頭を持っている時でも、意根による作意・触・受・想・思が存在し、意根の念頭もある。もしこれがなければ、意識は直ちに消失する。意識は単独で念を持つことはできない。根と塵が相触れることで識が現行するが、根が一旦塵に触れなければ、識は即座に消滅する。
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