問:円覚経では、全ての衆生が四大を自らの身と誤認し、六塵の縁影を自心の像としていると説かれています。この謎を解き明かせば仏法の講義は完了しますが、無量劫にわたって蓄積された愛憎の種子はどのように除去すればよいのでしょうか。
答:身心の問題が解決しても仏法の講義は終わりません。唯識種智に関わる問題は極めて多岐に渡り、修学が必要です。我見を断じ、さらに明心見性を達成し、唯識種智を具えて初地に入れば、染汚の種子は徐々に浄化されていきます。愛憎の種子が完全に断たれれば、仏となります。縁が現前した際に内心の煩悩習気を浄化することが、染汚種子を断除する道です。
しかし身心の問題が完全かつ究竟に解決されれば、すなわち仏となります。仏法はそもそも身心の問題を解決するためのものです。「身」には内身の色身だけでなく、外身である宇宙器世間の生存環境も含まれます。「心」とは七つの識を指します。七識が転識得智すれば、身心世界は徹底的に脱落転換し、報身仏と化身仏が成就され、世界は清浄な仏国土へと変容します。
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