独影境は勝義根内に現れる仮想映像

問：独影境は勝義根に変現するものであり、別個の種子を持つのでしょうか？

答：独影境は勝義根に変現するものであり、別個の種子を持ちます。独影境は五塵上の法塵には属さず、五塵とは関係がなく、それは勝義根内の法処所摂色ではなく、別個の業種に由来し、独頭意識が単独で了別する法塵であって、五識と共同で了別する法塵ではありません。しかし独影境も勝義根の影響を受け、勝義根に障害があると、現れる独影境は歪んでしまいます。例えば小脳萎縮の人はしばしば幻覚を呈しますが、彼が了別する独影境は全て非量であり、真実の状況に合致せず、患者は錯乱した独影境を分別した後、誤った観念を生じ、口からは支離滅裂な言葉を発し、正常人とは異なります。

意根は通常、大脳において法塵と接触し、大脳の法塵を了別し、意識も同様に大脳の法塵を了別し、大脳の外には出ません。意根も意識もどちらも独影境に触れることができ、独影境もまた大脳から離れないため、大脳に病変があると独影境は錯乱します。独影境は大脳の勝義根内の別個の領域に成像し、五塵とは一緒ではなく、五塵上の法処所摂色とも一緒ではありません。五塵上の法塵を了別する意識は五俱意識であり、独影境を了別するのは独頭意識です。名称は異なりますが、本質は一つの意識であり、一つの意識ではありますが、同時に五塵上の法塵と独影境を了別することができます。独影境の種子は如来蔵から別個に来るものであり、五塵を生成する種子と同じものではありません。

私たちが心静かな時、自らを感知してみると、心が動くたび、または心を動かすたびに、同時に大脳神経の拍動を引き起こし、その後、顔面神経の拍動が起こり、それから手足や全身の対応する反応が生じるのではないでしょうか。もしそうであれば、心の動きが色身の動きを促し、心の動きには独頭意識と五俱意識の動きもあり、意根の動きもあることを示しています。そうすると、識心は大脳から離れず、六塵影像と独影境は大脳から離れません。

目に星が飛ぶ（眼冒金星）現象は独影境であり、物質色法の関係によって生み出されます。ある人が血圧異常でめまいの現象が起きた時、時に目に星が飛ぶことがありますが、実際にはこれは幻覚であり、真実の星が存在するわけではありません。しかしこの独影境の星はやはり物質色法と関係があり、大脳と関係があるとすると、星はどこに現れるのでしょうか？やはり大脳内に現れるはずです。なぜなら意根も意識も大脳の外に出て法塵を縁取ることはないからです。脳に病気や障害があり、栄養が不足している時、意識は物事を思い出せず、独影境は現前しません。これは独影境が大脳の物質色法と密接な関係にあることを示しています。別の面から言えば、私たちが回想や妄想をする時、脳波に波動が生じます。これは意根と意識による独影境の了別が大脳に影響を与えていることを示しており、そうすると独影境もまた大脳内に成像し、仮想の像であると言えます。

独影境がもし大脳内に現れないのであれば、それは身体外に現れることになります。では独影境は身体外、虚空中に現れることができるでしょうか？六識は身体外、虚空中で了別できるでしょうか？意根は身体外、虚空中で作用できるでしょうか？もし意根と意識が虚空中で了別できるのであれば、虚空中の識は皆が共用でき、彼我の区別がありません。あなたが了別した後、私はそれを知ります。あなたが満腹になれば、私は空腹ではなくなります。実際にはこれは不可能です。あなたが修行を決意すれば、私も決意したことになります。あなたが悟れば、私も悟ったことになります。なぜならそれは虚空の識であり、あなたと私の区別がないからです。私が心の中で仏を想う時、仏の三十二相は私の独影境です。もし独影境が虚空中にあるならば、皆がそれを見ることができ、皆も仏を想い、皆が功徳を受用できるはずですが、実際にはこれは不可能です。たとえ私たちが見る虚空でさえ、勝義根内の虚空であり、心の外には出ず、眼識と意識が了別する虚空も勝義根内にあり、一つの影像に過ぎません。以上をまとめると、独影境は勝義根内の影像であり、仮想の相であって、真実ではないのです。