問:行観中に身体の大部分の感覚が消え、呼吸も極めて微弱になり、さらに観じ続けると身体と呼吸の感覚が完全に消失し、真っ暗な状態に入りました。この状況でどのように観行を続ければよいでしょうか?
答:それは禅定に入った状態です。意識が微弱になり、呼吸を観じられなくなっています。観行を続けたいなら、心を禅定から引き離し、呼吸に意識を集中させなければなりません。呼吸がどれほど微弱でも観じ続け、荒い呼吸から胎息へと観察対象を深化させます。禅定に深入りせず、止観均等に保つことが我執を断じ証果を得る道です。禅定偏重は身心修養に資するのみです。
問:呼吸を観じながら意識で他の妄念を監視するのは正しい修行法ですか?
答:それは意識が妄念に追従し転じている状態です。妄念はそもそも虚妄なるもので、留めようとしても留まりません。妄念を監視するのは無駄な努力です。妄念に構わず自然に生滅させ、心の刃を有効に使いましょう。意識を妄念監視から解放し呼吸一点に集中すれば、禅定の進歩が早まるか試してみてください。
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