衆生无边誓願度
煩悩无尽誓願断
法門無量誓願学
仏道無上誓願成

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日常開示

2021年04月19日    月曜日     第1 回の開示 合計3321回の開示

六根円通

朝起きて静座す。鼓の声、風の音、誦経の声、鳥のさえずり、声々が耳に入るも、心は塵界を絶ち、さざ波立たず。心の声また起こる。世界・国家・有情・弘法・衆生を度す、事々が浮かぶも、心は諸相を離れ、微動だにせず。

世間の人事、蛙の鳴き蝉の騒ぎ、蟻の戦い蜂の争い、人を笑わせるのみ。死以外に大事なし。生死の事もまた大ならず。泡の生滅、全て空幻なり。出世間の事、衆苦の解脱、弘法利生、真剣にすべからず。皆夢中の事なり。名誉利養、毀誉称譏、誓願任責、皆な空相なり。

一切の音声は空谷の跫音の如く、皆取らず。一切の色相は蜃気楼の如く、皆執わず。一切の事理は亀の毛兎の角の如く、皆固執せず。世人の威嚇利誘、皆な罠なり。世事の華やかなる乱舞、皆な茨なり。言葉笑い黙し手を挙げ足を運ぶ、全ての作為、皆な苦業なり。六根が境に対す。声色犬馬、一毫でも執すれば砒霜を口にするが如し。

眼と色と見の三者空。耳と声と聞の三者空。鼻と香と嗅の三者空。舌と味と嘗の三者空。身と触と覚の三者空。意と法と思の三者空。能く空とし、所も空とす。心中の空もまた空。空空もまた空。微塵も立つべからず、得るべからず。立つも立たず、得るも得ず。立たず破らず、得ず失わず。これこそ本分の消息なり。家に四壁なく寸草なし。錐を立てる地もなし。畢竟微塵なく、微塵なきもまたなし。無もまたなし。ここに至りて、何ぞ耳根円通のみならん。眼根円通、鼻根円通、舌根円通、身根円通、意根もまた円通。六根ことごとく円通す。何が通ずるか。参じよ!

——生如法師の開示
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