仏が因縁の法を説かれた時に、「名色は識を縁とし、識は名色を縁とする」と述べられました。この識とは如来蔵阿頼耶識を指し、名色とは五蘊、すなわち色蘊・受蘊・想蘊・行蘊・識蘊を意味します。如来蔵が名色を縁として初めて自らを顕現させ、その功徳性を発揮することが可能となります。名色が存在しなければ、如来蔵はその働きを現すことができず、本来の徳性を発揮することも叶いません。名色は如来蔵を縁として初めて生起し存在するものであり、如来蔵なくして名色の発生はあり得ません。名色と如来蔵は相互に依存して存在しますが、如来蔵自体は名色に依存せず単独で存在し得るものの、その機能を発揮するためには名色を媒介とせねばなりません。両者の関係は束ねた蘆のように互いに依り頼んでおります。
如来蔵はまた業種を縁とし、衆生の業種に応じてその正報身と依報たる生存環境、及び様々な果報を顕現させます。さらに如来蔵は自らが内包する四大種子を縁とし、衆生の五蘊十八界や宇宙器世間を現出させます。また如来蔵は七識心を縁とし、七識心の心行を了別し、識種を輸送して七識心の働きに呼応するのであります。
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