意識が離れたとき、末那識が自らを観照できるか否かにかかわらず、意識がない状態において、いかにして知ることができようか。甲と乙の二人において、甲が自らを観照できるかどうか、乙が眼前にいない状況でいかに判断するのか。もし乙の目に覆いがあるならば、たとえ正面から甲に対していても、いかにして甲の心行を観察判断できよう。凡夫衆生の意識はまさに目に覆いある乙の如く、末那識に特定の心行があるかを現量観察することができぬ。故に私は凡夫衆生に申し上げる──ひたすら修行に専心し、証得の準備をなすべきであると。末那識に何らかの定論を下すべからず、唯識の種智の法に決定的解釈を加えるべからず。これは自らの現量観行の実際からあまりにも遠く隔たっているからである。
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