因縁とは、因は他の法を引き起こすことができる法であり、縁は因が他法を引き起こすのを助ける法です。因と縁はともに他法を生じさせる方便的な因であり、導火線のような働きをします。
一切の法の根本的な因は、万法が生じる源である如来蔵です。因と縁という二つの法自体も、根本因である如来蔵から生じたものです。
次第縁(等無間縁ともいう)とは、同等無差別の法が間断なく次々と生滅し、次の同種の法を引き起こす縁を指します。例えば識の種子において、前の識種子(例えば意識)が特定の処と塵に生じた後、滅して戻り、次の同種の識種子(意識)が同じ処に生じ、再び滅して戻り、さらに次の識種子が同じ処の塵に生じるという過程が続きます。このように同質の識種子が同一の場所で連続的に生滅を繰り返すことにより、継続的な識心の活動が形成されます。心所法も同様の理屈です。
所縁縁とは、能と所の対応関係を指します。能は主体的な働きを持つ七識心であり、七識心は一切の法、特に六塵の境界を縁とすることができます。これが能縁の心であり、所縁とは一切の法あるいは六塵の境界そのものです。所縁縁とは、一切の法が生起する縁、六塵の境界が生起する縁を意味します。
増上縁とは、当該の法が生じることを助けるその他一切の補助的な縁を指し、当該の法自体を除くすべての要素を含みます。
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