五別境は五遍行中の受心所の後に運行されるか

遍行とは、識心が現れるときには必ず五つの遍行心所法が識心に伴って運行することを意味する。識心は他の心所法を伴わないこともあるが、必ず五つの遍行心所法を伴う。その真の意味は、例えば二人が会うことを接触と呼び、その後で了別と感受が生じ、最終的に選択判断が行われるというものである。会わなければ相手を了別できず、他のことを決定することもできない。会う前は作意であり、ある場所に向かい、その後でその場所で会うことができる。了別は相手を理解することに相当し、これには一定の過程があり、時間の長短は一定ではない。目で色を見るのも過程を伴い、すぐに何色か判断できるわけではない。

五つの遍行心所が運行する際、まずは順序に従って運行する。順序がなければどうやって運行するのか？もし順序がなければ、根・塵・識の三つが和合して触れるとき、すべての事柄はその瞬間に結果が生じるはずである。しかし実際には、大きな結果である最終結果、および小さな結果、段階的な結果は、すべて触れた後しばらく経ってから現れるものであり、触れたからといって即座に結果が生じるわけではない。結果とは選択とそれに続く行為の造作である。

触がなければ、その後ろの受容・領受はない。領受がなければ了別はなく、了別がなければその後ろの感受はなく、最終的な選択がなければ、それに続く心行もない。五つの別境心所は一般に、識心の受心所の後、想心所の後、思心所の後に現れるが、必ずしも特定の段階で現れるとは限らない。作意と触がなければ欲心所もなく、想心所がなければ勝解心所もなく、念心所もなく、慧心所もない。一方、欲心所がなければ、作意や触に向かうこともなく、したがって五つの遍行心所も生じない。

定心所法は作意・触・受心所の後に生起し、その後で作意に定まり、触に定まり、受に定まり、想に定まることができる。その後で智慧が生まれ、最終的に思心所が現れる。しかし、まず最初に定心所が生じ、一つの法あるいは二つの法に定まり、その後で五つの遍行心所法が運行し、作意・触・受・想・思が生じることもある。また、思心所の後に初めて定心所が現れることもあり得る。

全体的に見て、五つの別境心所法は、五つの遍行心所法のどの段階で現れ運行するかは一定ではない。なぜなら、五つの遍行心所法は絶えず循環して運行しており、特定の段階に留まることはないからである。もし特定の段階に留まれば、それはそこに定まったことであり、識心に定が生じたことになる。

定力が不足し、智慧が不足し、心が非常に細やかでなければ、心所法の運行を観察することは確かに容易ではない。どの識の心所法であれ、すべて唯識種智の範疇に属する。