例えば、万物は大地から生じ、大地の上で育ち、養分を吸収し、大地において滅び、養分は大地に帰る。万物が滅びた後また大地に回帰したとは言えない。なぜなら万物は決して大地を離れたことがないからである。例えば、人は家庭に生まれ、家庭で育ち、家庭で老い、家庭で死ぬ。この人が死んだ後また家庭に回帰したとは言えない。なぜならこの人は決して家庭を離れたことがないからである。
同様に、人は皆如来蔵から生じ、如来蔵の中で育ち、如来蔵の中で老い、如来蔵の中で死ぬ。人が死んだ後また如来蔵に回帰したとは言えない。なぜなら人は皆決して如来蔵を離れたことがないからである。また人が悟りを得て死んで涅槃に入ったとも言えない。涅槃に入ることはできない。如来蔵に入ることもできない。ただ三界の業種が消滅し、七大の種子が如来蔵に回帰して再び放出されず、一切法の養分は受用する者がいないため、如来蔵に戻り、再び流出することはないのである。
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