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日常開示

2018年08月20日    月曜日     第2 回の開示 合計794回の開示

心王と心所はそれぞれ固有の運行の行相を有するのでしょうか

心王の運行行相は、識種子の流注と運行に現れ、心所の運行行相は善心所法・悪心所法・不善不悪の心所法、及び五遍行心所法と五別境心所法に現れます。これらの心所法は識種子から引き継がれたものではなく、識種子と一体ではなく、それぞれが独自の運行行相を持ちます。しかしそれらは完璧に融合し、隙なく調和して作用します。

心王の心所法における五遍行心所法と五別境心所法の運行は、識種子の運行と流注と明確に区別し難いものの、両者は一体ではなく、それぞれ独自の運行行相を有します。心所法は絶えず変動し、増減するばかりでなく更に完善化し得るため、その運行は識種子の運行と若干の相違があります。この差異は極めて弁別・観察が困難であり、仮に観察出来たとしても言語化することは容易ではありません。

例えば五別境心所法中の定心所において、心王が安定して禅定が生じる時、この定は増加もすれば減少・消滅もします。定心所は不断に変化するものであり、この変化は識種子から生じたものではなく、別の所縁、例えば業種から生じ、業種に随って現れます。心所法が業種と混在する場合、心所法は前世と現世に連続性を有し、例えば前世で禅定を修めた者は現世で少々修行するだけで定心所が容易に現れます。心所法は業種と関係を有しますが、独自の種子を持たず、前世の身口意行の種子と結び付いています。

また勝解心所・念心所・欲心所など各心所法は全て変異を生じ、固定的ではなく増減し変異し得ます。これらは識種子から生じたものではなく、業種と関係を有しながらも独自の業種を持たず、その内容は極めて深遠です。

例えば五別境中の慧心所は、環境の薫習に従って不断に増減し変異します。しかし心王の識種子は変異せず、その本体は永遠に清浄なるままです。ただ種子の流注が集中するか分散するかの差異があるのみです。

識種子が流出して心王本体を形成します。心王本体は清浄であり、識種子に染汚性も善悪性もありません。しかし心所法と和合して心所法の形式で運行すると、善悪・不善不悪の心行が現れます。故に八識心王の心行と心所法の心行は実は同一であり、心所法こそが心王の心行です。八識心王は特に五遍行心所法の形式で運行します。

弥勒菩薩の『瑜伽師地論』第一章に説かれる通り、五遍行心所法は心王の助伴であり、心王が運行するには必ず五遍行心所法を伴わねばなりません。五遍行心所法無くして心王は運行不能です。例えば識種子が生起する前には必ず生起する方位、つまり生起する処所を確定する必要があります。例えば眼が花の色を見る場合、意根がその処所を確定すると、識種子は勝義根の花色の処へ向かい生起します。或いは音声の処所、勝義根の声塵が現れる処、あるいは意根が了別しようとする他の処所へ向かいます。故に識種子が生起する前に作意心所法が運行を開始します。作意とは生起の方向と位置を定めることです。心所法と心王の運行行相は完璧に融合し、表面上は心所の運行行相が現れつつ、内に心王識種子の流注運行行相を蔵します。両者は一致しながらもそれぞれ独自の運行行相を有します。

更に五遍行心所法の最後である思心所は、その最終的な機能作用として造作を行います。思心所の造作が完了すれば、即ち心王の造作が完了したことを意味します。造作を終えた識心が滅するか処所を転じると、心所法も消滅します。この原理に照らせば、心王と心所の運行行相は一致しており、両者の運行は絡み合い、行相は心所法の運行行相に現れつつ、識種子の流注運行行相を内蔵しています。これらは分離不可能な関係にあります。

——生如法師の開示
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