八識の心王の了別は、心所法を介して完成されるものであり、心所法の運行がなければ、八識の心王には了別性が存在しません。了別とは、心所法が識心を補助する作用です。例えば、意識の了別は、作意心所法による相分への作意を通じて行われ、触心所による相分への触れ、想心所による取相の執取性、受心所による受容と感受の作用、慧心所による智慧の分別を必要とします。場合によっては定心所の集中力、その後には意識が相分に対する勝解力を発揮し、さらに欲心所と念心所の補助及び引發作用を要することもあり、その過程には善悪の心所法の参与により、了別に一定の善悪性が付与されます。よって、八識の心王の了別は様々な心所法を通じて実現されるものであり、心所法がなければ識心は何ら作為を成し得ないのであります。
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