(二十四)原文:問。是の諸の有支。幾つが道支の摂する所の正見と為して勝れる障碍となるや。答。無明及び彼の起こす意行。若し一分有れば、能く勝れる障碍と為す。正見に対するが如く、是の如く正思惟及び正精進にも亦た爾り。若し正語・正業・正命は、身行・語行及び一分を以て、勝れる障碍と為す。若し正命・正定は、余の有支を以て、勝れる障碍と為すべきを知るべし。
釈:問う、十二有支の中、幾つの支が八正道支に摂せられる正見を勝法上の障碍とすることができるか。答え、無明と無明の引き起こす行支は、仮に一分でも勝法上の障碍となり得る。ましてや多分であれば尚更障碍となる。無明と行は正見に障碍をなすのみならず、同様に正思惟と正精進にも障碍をなす。行支の身行と語行は一分あれば、正語・正業・正命の勝法上の障碍となり、其余の有支たる識・触・受・想・取は、一分あれば正命と正定の勝法上の障碍となる。
十二有支は八正道の正しい修行に対し障碍となり、その他の道品の修行にも障碍となり、苦集滅道の四聖諦の修行にも同様に障碍となる。故に如何なる法を修習するにも、無明は常に障碍であり、一切法の修習の共通目標は無明の障碍を破ることにある。
原文:問。是の諸の有支。幾つか唯だ雑染品のみならん。幾つか雑染清浄品に通ぜん。答。四つは唯だ雑染品なり。余は雑染清浄品に通ず。問。如何にして生支は二品に通ずるや。答。若し悪趣及び難有る処に生ずれば、唯だ雑染品なり。若し人天の諸の難無き処に生ずれば、此れ染浄品に通ず。当に知るべし、余の支は其の応ずる所に随って、皆二品に通ずることを。
釈:問う、これらの有支は、幾つの支が雑染品のみに通じ、幾つが雑染と清浄の両方に通じるか。答え、四支は雑染品のみに通じ、其余は両方に通じる。問う、何故生支は雑染と清浄の二品に通ずるのか。答え、三悪道や災難ある処に生まれれば、生は雑染品のみに通じる。人天の災難なき処に生まれれば、生は雑染と清浄の両方に通ずる。これにより、其余の支分も対応する法に従い、皆両品に通ずることが分かる。
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