性水真空　性空真水

『楞嚴経』に説かれる「性水真空、性空真水」における水とは、水大の種子が既に生成した水を指し、水の微粒子や江河湖海の水を含みます。これらの水の実質は水の粒子で構成され、微粒子は水大によって成り立ち、水大は如来蔵に本来備わる種子に帰属し、その性質も如来蔵性に帰します。故に水大によって構成される一切の水の実質は、全て如来蔵の性質です。如来蔵の性質とは何か。如来蔵は空性であり、一切の法を包含せず、能空と所空の全てが空じ尽くされ、空すらも空じられた清浄無垢の状態で、一粒の塵も存在しません。あらゆる水の性質は真空であり、その空性の中に不滅の真実の水性が存在します。故に如来蔵は縁に遇えば水を生じます。もし如来蔵に不滅の水性が備わっていなければ、いかなる因縁が現れても水は生じ得ません。

我々の思想は、ひたすら空じ、一切の法を空じ尽くし、空じ尽くした先に空じるべきものも無くなれば、悟りの境地に至ります。如来蔵の家に安住し、大法輪を転じるのです。なぜ空じ尽くして何も無い状態で、なお法輪を転じ得るのか。如来蔵の空性には真の地・水・火・風・見・識が不滅のまま実在し、縁あれば一切の法を生じさせるからです。成仏後も願力は滅せず、縁も滅びません。如来蔵に不滅の七大の種子が存在する限り、如来は大法輪を転じて苦しむ衆生を救済し尽くすのです。