意根が法塵に触れた後に、意識が生じて法塵を了別する。すなわち意根が先に法塵に触れてこれを知り、意識が後に触れて知るのである。ただし意根の知覚は意識ほど明瞭詳細ではなく、知った後も自ら行動を起こすことはできず、必ず意識と五識に依らなければ行動が可能となる。故に一切の塵境は意根が先に知覚し、六識の反饋を必要としない。しかし六識が六塵を了別するのは比較的詳細であり、意識は強い論理的思考観察能力を有し、意根に多くの助言をもたらすことができる。意根は五識と意識の反饋を得て、塵境を充分に詳細に理解し、最終的な決断を下す。よって意根は六塵の境界を充分に了別できぬものの、熏習を積み重ね、あるいは大略を理解することが可能である。慣れた塵境においては、了別がやや明晰となり、これが意根に知らぬ間に影響力を及ぼし、種子として貯蔵されるのである。
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