古代において、山を占拠して王となるとは、山を私有化し、他人の使用を許さず、また通行料を支払わない限り山麓の通行も妨げる行為であり、強盗や匪賊の所業である。当然、窃盗や強奪に該当する。しかし地球上の山は有主物であり、公共の財産であるため、地元住民は利用権を有し、他地域の者にも通行権が認められる。民から得た資源を民のために用いて初めて盗とはならず、私利私欲のためであればそれは盗となる。
山を占拠して王となる行為は強盗であり、暴力的な公然たる略奪である。一つの山を占拠するのも強盗ならば、百の山を占拠すればなおさら強盗であり、全国の山河国土を占拠する王となれば、それは大盗と呼ぶべきであろう。地球上には盗を犯す者が少なくないため、三悪道の衆生があれほど多いのである。それゆえ仏陀は戒律を制定せざるを得なかった。
月には人がおらず、鉱物などの資源は無主物である。誰が採掘し占有しようとも非難されるべきではない。一方で地球上の資源は全人類のものであり、地域ごとの所有権が設定されている。無断での採掘や占有は許されず、そうなれば資源を巡る争奪と防衛の戦争が発生するであろう。
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