離念霊知と意根の関係

霊とは敏捷で霊動的なものであり、念を離れるとは一時的に思想の念頭から離れることを指します。このような知覚には意識的なものもあれば意根に属するものもあります。意識が念を離れることは比較的容易に行えますが、意根が念を離れることは相対的に困難です。しかし不可能というわけではありません。なぜ意識が念を離れることができるのでしょうか。第一に意根に欲望や考えがなく、塵境に縁に攀じず、粗い思考や念頭もありません。第二に意識そのものに境界を弁別する欲望がなく、心に懸念する事柄もないため、意識を動員して思考したり念じたり想造作したりすることがなくなります。意根の極めて微細な思想の念頭は、意識の参与なしに身口意の行いを現出させ、意識もこれを発見したり参与したりする力がありません。

この時、意根はやや清浄な状態、すなわち禅定の状態、無欲無求の状態にあります。したがって意識が念を離れた状態にある時は、必ず意根が清浄であり、禅定の中にある状態です。禅定の深さや時間の長短に関わらず、実際にはまだ微細な念が存在します。念がなければどうして知ることができるでしょうか。ただ境界に対して非常に慣れ親しんだ状態では、労力を費やして弁別しなくても知ることができるのです。この時、思想活動は極めて微弱であり、これを念を離れた霊知と呼びます。念を離れた霊知という言葉は仏典に由来するものではなく、仏典には具体的な記述がありません。後世の人々が自らの解釈に基づいて提唱した概念であり、厳密に正確とは言えません。これらを観察し弁別するには、非常に深遠な唯識の教養と観察力が必要とされます。