意根とは現識の意味である

現識とは現量識の意味であり、現量の見法、現量の識別法、あるいは現量の呈示法を指します。意根も如来蔵のように鏡が像を映す機能を持ち、鏡のように法像を顕現する作用を有していますが、如来蔵が現す像は自らが生み出した像であり、意根が現す像は如来蔵が変現した像を呈示するもので、意根自らは像を変じません。如来蔵という鏡と像の関係は生と被生の関係であり、能生者は必ず不生不滅の法でなければならず、被生者は生滅変異するものです。一方、意根と像の間は生と被生の関係ではなく、共に被生の法です。さらに意根が呈示する像と如来蔵が現す像には本質的な差異があり、如来蔵が現すのは本質境（本質の境）であり、如来蔵が最も原始的に創造した法です。意根が現す像は帯質境（帯びた質の境）であり、如来蔵による法の二次的変現であり、もはや真実ではありません。

なぜ意根を現量識と言うのでしょうか。意根が法を見る時は現前存在する法をそのまま見ており、比量や非量で法を見る機能を持たないからです。如来蔵が法を幻化する最初の刹那に、意根は即座にそれを認知します。これが帯質境であり、本質境に近く、比較的真実性が高いものです。意根が帯質境を認知した後、さらに詳細に了別しようとする時、初めて六識に法を伝達します。すると六識が見るものは比較的真実な帯質境ではなく、既に変異を経た法となり、その顕現する法は本質境や真実境からさらに隔たり、意根の見る法よりもさらに虚妄性を増します。ましてや意識が法を見る際には比量や非量が伴い、その顕現する法は一層真実から遠ざかります。

現識の内実に照らせば、如来蔵の法を見る働きはさらに現量的な見方であり、意根の見るものより真実性が高いと言えます。如来蔵はどのような法を見るにせよ、全て自らが現前に生じさせ保持している法であり、法との間に微塵の隔たりもありません。何の法を生じればその法を見、何の法を保持すればその法を見ます。生じなければ見ず、保持しなければ見ません。比量や非量で法を見るような事態は決して生じません。如来蔵にとって過去の法も未来の法も存在せず、全てが現在の法です。たとえ無量劫以前の法であっても、それは現在の法として存在します。しかし六識にとってはもはや現在の法ではなく、実際六識は現在の法を見ることはできず、どの法を見るにしても既に変異した法、過去の法でしかありません。