自分が間違っていると気づき、他人に申し訳ないことをしたならば、懺悔し謝罪しなければなりません。謝罪とは、相手に対して心からの後悔と反省の気持ちを伝え、相手の心の傷を癒し、不快感を取り除く行為です。同時に、怨みを解き心のしこりを取り除き、関係を円満で調和のとれたものにします。そして懺悔と謝罪には対象が必要です。なぜなら、人に申し訳ないことをしたのなら、その本人に対して直接自分の過ちを明らかにし、懺悔と謝罪を述べて誠意を示すことが、真に自分が他人に申し訳なく思い、改心し、その人を償おうとする態度だからです。
もしその本人に直接謝罪や懺悔をせず、心の中でだけ悔い、その人に直面する勇気がないなら、そのような懺悔には誠意がなく、相手の心のわだかまりを取り除くことも、心の欠落を埋めることも、双方の関係を改善することもできません。相手が傷つき不当な扱いを受けた以上、自分がそのことに気づいたのなら、相手に対して何らかの償い、少なくとも心理的・感情的な面での埋め合わせをすべきです。最低限、直接事情を説明して相手の心を晴れやかにさせることが、最も基本的な敬意と懺悔の形です。こちら側の様々な心理や感情を、相手が全く知らないままであれば、二人の意根(心の根幹)は繋がらず、心の結び目は完全には解けず、隔たりは完全には消えません。そのような懺悔は不徹底で不十分であり、問題から逃げ、過ちに直面する勇気のない心理的傾向があると言えます。
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