根身器界とは何法か

根身器界とは、すべて如来蔵が五大種子によって変現したものであり、衆生が生存するために必要な物質色法を指す。これらは共通の物質的属性を持ち、絶えず生滅変化する。そのうち、根身は衆生の別業であり、器界は衆生の共業である。根とは眼根・耳根・鼻根・舌根・身根を包括し、身は五根を含む身体全体を指す。器は宇宙器世間、すなわち欲界・色界・無色界の三界世間を意味し、各天界の宮殿、様々な山・川・大地・樹木・宝物、および居住環境や生活用具などを包含する。界とは種々の器物質の境界を指し、欲界と色界、無色界との間にそれぞれ境界があり、三界は互いに差異を有する。

根身器界は物質色法であるため、五大種子が其中で運行しており、すべてエネルギーを具え、エネルギー場である。色・声・香・味・触にはいずれもエネルギーが存在し、衆生の身心に多大な影響を及ぼす。宇宙には種々の音声（いわゆる天籟の音）が存在するが、衆生はその所以を知らない。物質色法の運動と衝突がエネルギー波動を生じ、これが音声を形成する。宇宙の虚空は極めて広大で際限なく、音声は空中を阻害されずに漂流するため、特に広漠・遙遠・渾厚・震撼的な特性を呈する。これを聞く衆生は、ある者は寂静を感じ憧憬の念を抱き、ある者は驚懼惶恐して回避しようとする。

虚空に音声が生じる理由は、虚空が無物ではないことに起因する。虚空中には無数の微粒子が存在し、その運動と相互衝突によって音声が発生する。これらの微粒子は地・水・火・風・空の五大種子で構成され、各々の大種子の波動がエネルギーを放出し、和合によって更なるエネルギーを生成する。相互のエネルギーは変換され、新たなエネルギーへと変化する。この原理により、人類は水力や風力を電力に変換し、発電・照明を通じて生産活動や生活需要を満たしている。

色塵と声塵はエネルギーであり、香塵も同様である。ある香気は覚醒・精神昂揚作用を有し、ある香気は大脳神経細胞を抑制して昏迷・中毒を引き起こす。味塵も同様の性質を持ち、触塵においては特に顕著である。よって六塵はすべてエネルギーを具える。宇宙器世間には色・声・香・味・触・法の各種エネルギーが存在する。