なぜ諸法はすべて究竟であり清浄であるのか（二）

原文：一切衆生と国土は、同一の法性なり。地獄も天宮も、皆浄土なり。性あるも無きも、等しく仏道を成ず。一切の煩悩は、畢竟解脱せり。法界の海慧、諸相を照らし了ることは虚空の如し。これを如来の随順覚性と名づく。

釈：有情の衆生と無情の国土は、すべて同一の法性であり、如来蔵の性質である。衆生の色法と心法の和合体は、如来蔵が七大種子をもって成就したものであり、国土は色法として、如来蔵が五大種子をもって成就したものである。これらはすべて如来蔵の円成実性によって成就されたものである。地獄も天宮も浄土であり、すべて如来蔵より出生し顕現したものであり、如来蔵の円満なる成就である。これらは清浄なる如来蔵心中の物にして、すべて如来蔵の浄土の中に存在する。

仏性ある有情と仏性なき無情は、共に仏道を成就する。仏性あるものと無きものの本来は、すべて如来仏であり、如来蔵より出生し顕現したものであり、如来蔵の円満なる成就である。一切の煩悩は畢竟解脱する。一切の煩悩は如来蔵より出生し執持されたものであり、如来蔵の円満なる成就である。これらはすべて如来蔵性であり、如来蔵は本来解脱している故に、一切の煩悩は畢竟解脱するのである。

法界如来蔵の大海の如き智慧は諸法相を映照し、諸法は虚空の如し。諸仏の法界体性智もまた大海の如き智慧を具え、諸法相を見るに虚空の如く了不可得、空空如也なり。諸仏は一切世間法相の本質が虚空の如く空なることを証得した故である。これらはすべて如来の随順覚性に属し、菩薩や凡夫が証得することはできず、理解し思惟するのみである。ただ法に依って理解するのはさほど難しくないが、実証には三大阿僧祇劫を要する。これらはすべて如来蔵の円成実性、一切法を円満に成就する体性である。