瑜伽師地論 第三十四巻（八十二）

原文：加行道の修とは、これによりて煩悩を断ぜんがために加行を発起するをいう。無間道の修とは、これによりて正しく煩悩を断ずるをいう。解脱道の修とは、これによりて無間に断じて解脱を証得するをいう。勝進道の修とは、これによりてこの後は勝れたる善法を修し、未だ余地の煩悩を起こさず、能治の加行あるいはまた起こさず、究竟の位に趣くに至るをいう。これ十一種の修の品類差別なりと知るべし。

釈：加行道修の意味は、この修によって煩悩を断除するために加行を発起することである。無間道修の意味は、この修によって真実に煩悩を断除し、かつ永遠に煩悩を断じたことを無間道という。解脱道修の意味は、この修によって無間に煩悩を断除し、解脱を証得することである。勝進道修の意味は、この修によってこの後はより勝れた善法を修行し、その余の諸地の煩悩をも生起せず、能治と加行の法あるいはまた生起せず、究竟の四正性離生の位に趣き、再び三界世間に出生しないことである。これが十一种の修の品類差別である。