原文:如何にして香鬘の塗飾する所の全ての変異無常の性を観察すべきか。謂わく、先ず種々の香鬘が鮮やかに栄え、芳醇なるを観見し、後時に彼の萎れ悴れ、臭く爛れるを見る。此の事を見て已り、便ち是の如き念いを為す。『是の如き諸行は、其の性無常なり』と。余は前に説くが如し。如何にして資具の変異無常の性を観察すべきか。謂わく、未だ造らざる時と已に造り成満し、破壊する前後の変異を観見す。此の事を見て已り、便ち是の如き念いを為す。『是の如き諸行は、其の性無常なり』と。余は前に説くが如し。
釈:如何にして香鬘の塗飾する所の全ての変異無常の性を観察すべきか。現前に種々の香鬘を見るに、栄華艶麗にして香気四方に満ち、後には香鬘の萎れ黄ばみ、砕け爛れて臭穢なるを見る。此等の現象を見て、便ち此の如き念いを生ず。『是の如き諸行は、其の性真に無常なり』と。如何にして資生の具の変異無常の性を観察すべきか。資生の具が先には未だ造られず、後に至りて造り出され、用いた後にまた破壊され、前後絶えず変異するを観察し、此等の現象を観て已り、便ち此の如き念いを生ず。『是の如き諸行は、其の性真に無常なり』と。
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