原文:いかにして乗物の事の変異無常の性を観察すべきか。ある時は種々の乗物が新たにして妙なる荘厳を見、甚だ愛楽すべきものを観じ、またある時はそれらが朽ち故りて、あらゆる厳飾を離れたるを見る。この事を見て已り、すなわちこの念いをなす。かくの如き諸行は、その性無常なりと。余は前に説きたる如し。いかにして衣服の事の変異無常の性を観察すべきか。種々の衣服が一時に新成し、一時に故壊し、一時に鮮潔にして、一時に垢膩あるを見るによりてなり。この事を見て已り、すなわちこの念いをなす。かくの如き諸行は、その性無常なりと。余は前に説きたる如し。
釈:いかにして乗物の事の変異無常の性を観察すべきか。ある時は種々の乗物がまだ新しく、甚だ妙なる荘厳を見て人をして愛楽せしめ、また他の時にはこれらの乗物が腐朽衰敗して、妙ならず荘厳ならざるを見る。これらの現象を観察して、かくの如き念いをなす。すなわち諸行の性は真に無常なりと。いかにして衣服の事の変異無常の性を観察すべきか。種々の衣服がこの時は新たに製せられ、彼の時は旧く毀壊し、この時は新鮮清潔にして、彼の時は汚垢に満つるを見る。これらの現象を観察して、かくの如き念いをなす。すなわち諸行の性は真に無常なりと。
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