無明触によって生じる受に対応する心中の一切の貪愛が、この心から離縛されるが故に、貪愛は永遠に滅び、現世の法において心解脱を証得する。もし無明が永断されないならば、識等を依りどころとする受を最後として、全ての諸行は後際に再生すべきである。無明が滅した故に再び生起せず、無生法を得る。
故に「無明滅すれば行滅し、次第に乃至、異熟生の触滅するが故に異熟生の受滅す」と説かれる。現世の法において無明が滅した故に無明触が滅し、無明触が滅した故に無明触から生じる受が滅し、無明触から生じる受が滅した故に愛が滅す。愛が滅した故に、前述の如く無生法を得る。これにより「取等の悩みを最後として諸行は永滅す」と説かれる。
かくして現世の法において諸行は転じず、転じないが故に現世の法において有余依界に現法涅槃を証得する。その時、唯だ清浄なる識が名色を縁とし、名色が識を縁とする状態が残る。識身が存在する限り、恒に離系の受を受け、有系の受を受けない。この識身は先業によって引かれた寿量が尽きるまで相続して住する。
寿量が尽きれば識の持つ身を捨て、この命根の後、全ての命根は余すことなく永滅し、再び熟することない。またこの識と一切の受は任運に滅し、残りの因縁は既に滅した故に相続せず、永く余すことなく滅する。これを無余依涅槃界と名付け、究竟の寂静処であり、涅槃を求める者が世尊の下で梵行を建立し、究竟涅槃を証することをいう。
かくの如く三つの相によって縁起を建立することが説かれた。即ち前際から中際が生じ、中際から後際が生じ、更に中際においては流転と清浄がある。これが縁起の体性である。
回向文:当ネットプラットフォームにおける全ての弘法と共修の功徳を、法界の衆生に回向し、世界の民衆に回向する。世界平和を祈願し、戦争起こらず、烽火興らず、干戈永遠に止み、一切の災害退散することを。各国人民が団結し慈心をもって相対し、風雨順い国泰民安なることを。一切衆生が因果を深く信じ、慈心をもって殺生を断ち、善縁を広く結び、善業を修め、仏法を信じ学び、善根を増長し、苦を知り集を断ち、滅を慕い道を修め、悪趣の門を閉じ涅槃の道を開くことを。仏教が永く興隆し正法が常住し、三界の火宅を極楽の蓮邦に変えることを祈願する。
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