衆生无边誓願度
煩悩无尽誓願断
法門無量誓願学
仏道無上誓願成

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日常法話

2021年08月22日    日曜日     第1開示 合計3493開示

脳が意識機能の強弱を決定する

夢の中の独頭意識と夢の外の独頭意識にはどのような違いがありますか。睡眠中には気血の運行が弱まり、脳内の気血運行も弱まります。六識は脳という勝義根に依って生じ運行されるため、夢の中で独頭意識が生じた後は、勝義根の問題により意識心の機能が比較的弱くなります。そのため、夢の中で意識が了別する内容ははっきりせず細部に至らず、記憶も定着しにくくなります。もし意根が夢の内容を非常に重要だと感じ、強い刺激を受けると、印象が深くなり、独頭意識にその印象を強く刻み込ませます。目覚めた後、意識は夢の内容を鮮明に記憶し、はっきりと思い出すことができるのです。 

外的要因により脳が損傷し、昏睡状態に陥ると六識は消失します。目覚めた後、記憶喪失となる人もいます。これは脳の損傷が意識の機能発揮を阻害し、情報を統合する意識の機能が乱れるか弱まるため、特定の期間の人事を思い出せなくなるのです。脳に強い刺激を与えると、意識は記憶を取り戻し、過去の人事を思い出す可能性があります。子供や幼少期の記憶が定着しにくいのは、脳の発達が不完全で意識機能が弱く、記憶が定着しにくいためです。高齢者の意識は一般的に若い頃より機能が弱く、了別が細かく行き届かず、思考が粗雑になる、いわゆる「老耄(ろうもう)」の状態となるのです。 

気血の運行が滞ると脳が損傷し、人は愚鈍・痴ほう状態となります。したがって六識は依他起性(えたきしょう)であり、因縁によって生じた法(因縁所生法)であって、極めて虚妄(こもう)なものであり、依存すべきものではありません。六識は我(が)でもなく、我の所有するもの(我所)でもありません。中陰身(ちゅういんしん)の中では、意識の機能作用はさらに微弱です。中陰身は仮に生じたものであり、四大(しだい:地水火風)が粗悪で人身(にんしん)に遠く及ばず、意識の機能作用を著しく阻害するためです。そのため中陰身の中では、意根の心行(しんぎょう:心の働き)が主となり、意識は意根を効果的に制御できません。意根の本性が後世の趣向(しゅこう:生まれ変わる方向)を決定するのです。したがって、意識によって証得される悟りの境地(証果)は、張り子の果報のようなもの(紙糊の果)に過ぎないのです。

——生如法師の開示
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