洞山が雲巌に別れを告げる際に言った:百年後、ふと人が尋ねたならば、師の真実を弁えているかと問われた場合、どう答えればよいのでしょうか。
雲巌はしばらく沈黙して言った:ただこれがそうだ。
師(洞山)は思案に沈んだ。
雲巌が言った:价闍梨よ、この事を引き受けるには、よくよく注意せねばならぬ。
師はなお疑いを抱いていたが、後日、川を渡った時に水面に映った影を見て、かつての教えの真意を大いに悟った。
偈にこう詠んだ:決して外に求めてはならない、はるばるとして我と疎し。
(決して心の外に真如を求めてはならない。妄心は真心ではない。もし妄心を真心と思い込めば、妄心へ通じる道はすべて真如から遠ざかり、万里の隔たりとなる。)
我は今独り往く、ところどころで彼に出逢う。
(五陰の我が今、水辺を独り歩むとき、あらゆる根塵の触れるところで彼(真如)と出逢える。彼は遍く存在するのだ。
彼こそ今まさに我なり、我は今彼にあらず。
(彼(真如)こそが今の真実の我であるが、この五陰の我は彼(真如)そのものではない。)
かくの如く会得すべきなり、そうして初めて如如に契合する。
(このように理解すべきである。そうして初めて真如と調和し、背くことがなくなるのだ。)
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