なぜ意根において如来蔵を証得すべきか

問：現代心理学の研究成果によれば、意根も人体の形成過程に関与しているため、正しい導きの下で意根は身体の異常状態を回復または修正することが可能であると言われています。時計職人が自ら作った時計の不具合を解決できるように、この説は正しいでしょうか。

答：色身の構築は如来蔵が自らの業種に基づいて単独で行うものであり、意根はこれを理解せず、助力もできません。したがって身体状態の回復は全て如来蔵の領域であり、如来蔵は業種を知り業縁を了別するため、自然と色身の変更方法を理解します。ただし可能な限り意根の意向に沿って一切法と色身を変更します。

色身の変化は一義的に如来蔵が刹那毎に意根の思心所に順応した結果です。意根が何を想おうとも、如来蔵はその考えを実現するよう最大限協力します。これが最も重要な点であり、意根の絶大な力は「天子を奉じて諸侯を令す」如きものです。

意識では不可能であり、如来蔵は意識に協力せず、意根のみに同調します。意識は意根の審査と同意を経て初めて自らの考えを実現できます。故に意根において如来蔵を証得することは極めて容易です。誰が意根の考えを実現し、誰が意根の考えを了別し、誰が意根に識種子を送るのか、全ては如来蔵です。意根の全活動は如来蔵であり、五陰身の全動作は如来蔵です。他には存在せず、純粋無雑で全て如来蔵なのです。布人形の全体が布であるが如く。