問:今世の意識は全く新しい意識であり、前世とは無関係で、前世を認識しないと言われています。意識は意根が法塵である第八識を縁として生じるものですが、生じた意識に特徴が伴うのでしょうか。意識は毎日新しく、全て第八識から生じるため、全く区別がありません。記憶は勝義根に関連し、勝義根は成像の場であり、意識は勝義根においてのみ分別を行います。今世の勝義根が今世の意識の特徴を決定します。前世を覚えていない理由は意識にあるのではなく、全く新しい勝義根にあります。なぜなら勝義根は色法であり、色法はその如来蔵や第七識と共に転生することはできないからです。意識の特徴は勝義根に関連し、意識の性質は勝義根によって決定されます。胎児の時点から今世の勝義根、そして今世の意識の特徴が構築されます。同じ如来蔵から生じる意識の心所法は同じですが、違いや差異は依然として勝義根にあるのでしょうか。
答:意識は意根と法塵が接触した後、如来蔵によって生じます。意識は五陰身に依存して存在し、五陰身が変化すれば勝義根が変化し、意識も変わります。前世と今世の意識が依存する勝義根が異なれば、意識にも差異が生じます。夢中の意識と覚醒時の意識にも違いがあります。今日と昨日の意識は同じ意識であり、同じ五陰身上にあり、同じ内容を記憶していますが、やや差異もあります。物事の認識に差異があり、見解や考え方に差異があり、記憶に差異があり、認識性に差異があります。特に業障が変化し、勝義根が変化すれば、意識の認識性や認知性にも変化が生じます。
記憶の問題は業種に関連し、勝義根に関連し、意根に関連します。意根が興味を持つものは記憶が確実に良く、意根がより意に介するものほど記憶は良くなります。
意識の生起には一定の縁があり、縁が具わらなければ意識は生じません。縁が変われば意識も変わります。夢中の意識と覚醒時の意識の識種子は同じですが、夢中の独頭意識が認識する内容は、覚醒時の五俱意識では容易に知ることができません。植物状態時の意識と正常時の意識は更に異なります。勝義根に阻害がなく、脳の栄養が豊富であれば、意識の記憶機能は良好です。逆に、脳が栄養不足であれば、意識の記憶機能は減退し、認識性も減退し、思惟も減退します。小脳萎縮の人がまさにこれであり、幻覚や異常な認識現象が現れることもあります。
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