衆生無辺誓い度す
煩悩無尽誓い断つ
法門無量誓い学ぶ
仏道無上誓い成す

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日常開示

2019年01月18日    金曜日     第2 回の開示 合計1186回の開示

有相戒と無相戒

問:末法の時代において、我々はどのように戒を保つべきでしょうか。仏教を学び始めたばかりの者は五戒と八斎戒を守るべきで、長く修行を積んだ菩薩は有相戒を守る必要がなく、相を捨てて分別せずに直接大乗菩薩の無相の心地戒を保てるのでしょうか。

答:まず初発心の菩薩と久修の概念の内実を明確にする必要があります。どの段階の者が初学に属し、どの段階の者が久修に属するか、それぞれの特徴は何か、心理状態はどうかということです。

久修の菩薩は多生多劫にわたって菩薩行を積んできたため、菩薩の習気を有しています。生まれながらに煩悩が極めて微弱であるか、あるいは煩悩がなく、身口意の行いが清浄で、人に教えられずとも自ら進んで実践します。さらに無意識のうちに衆生を善に導くことを好みますが、自己顕示のためではなく、純粋に衆生が悪を捨て善に従うことを願うのです。菩薩が生来煩悩が微弱であるか無いという状態は、地上の菩薩が再来した場合にのみ可能で、前世ですでに煩悩を断じ、今世では隔陰の迷いがあるため、ごく稀に微弱な煩悩が現れることがあるに過ぎません。これは煩悩習気と呼ぶべきものです。

久修の菩薩は生生世世にわたって菩提を証悟しているため、今世仏法に遇えば前世の修行の慣性と方法に従い自発的に修行を進め、速やかに禅定を生起させ、間もなく自ら証果し再び明心開悟します。証果と明心後、速やかに前世の証量と接続され、果位は前世の果位のままであり、禅定も前世の禅定です。修行を継続すれば道業の進歩は速やかです。衆生教化に関しては、新たに学んだり修習したりする必要なく、自然に衆生を教化する方法を理解し、衆生を貪瞋痴へ導くことなく、衆生の煩悩を容赦せず、自然に厳格な師となり、弟子に対し高い基準を要求します。

このような久修の菩薩のみが大乗菩薩の心地戒を有効に保つことが可能です。なぜなら心の地がすでに清浄であり、仏陀が制定した有相戒(五戒や八斎戒など)を犯すことがなく、特に意識して守る必要もなく自然に戒を保ち、身口意の行いが清浄だからです。初禅以上の禅定を有し煩悩を断じ、心の地が清浄であるという基盤の上に立って初めて、無相の心地戒を保つことが可能となります。心は戒相の束縛を受けず、心の清浇に影響を与えない限り全ての行為が可能で、その目的は衆生救済にあり、自己の貪欲に従うものではありません。

もし菩薩の内心にまだ貪欲や瞋恚、愚痴が重く残っているならば、厳格に有相戒を保たねばなりません。五戒八斎戒を条々厳格に守り、犯すことなく、犯せば深く悔いて懺悔しなければなりません。特に菩薩戒は厳格に守り犯すことなく、少しも自己を甘やかしてはなりません。貪瞋痴の煩悩が一つも断たれていない菩薩、特に未到地定すらない菩薩は、無相戒を保つ資格も能力もありません。心の地が清浇でなく、起動する念い全てが煩悩と相応しているため、有相戒をしっかり保ち、様々な事相から自心を縛って逸脱させないようにしなければなりません。初禅が生起し煩悩を断じて初めて、相を捨て心の地の清浇を保つ試みが可能となります。

上記の久修菩薩の特徴を持たない者は全て初学菩薩に属し、厳格に有相戒を修持すべきです。身行と口行の規律を捨て、勝手気ままに貪瞋痴の煩悩に従ってはなりません。肉を断てず、酒を断てず、葷腥を断てず、これらの口福を享受しようとする者が、「私は相を取らず分別せず、心地戒を保っている。葷腥を食べても内心に葷腥の相を着けない」と言い訳するならば、それならなぜ糞を食べないのか。なぜ毎日料理の種類を変え、繰り返し同じものを食べないのか。365日同じものを食べても飽きず、善く知足すべきです。春夏秋冬各季節に衣服一着で十分で、喉が渇けば水を飲めばよい。なぜそんなに凝る必要があるのか、他人の口や胃に入るわけではないのに。

現代の仏教学習者は憐れむべきであり、また憎むべき存在です。明らかに善根が浅薄であるにもかかわらず、久修菩薩を自称し、五戒八斎戒菩薩戒を保てないのに、無相の心地戒を保つと声高に叫び、少しも自覚がありません。皆高尚なスローガンを叫ぶばかりで、このままでは仏教は必ず衰亡し、成就する者はいなくなるでしょう。釈尊が直々に説かれた戒定慧の三無漏学を、今や戒学と定学を廃し、乾慧の慧学だけを求め、仏法を語るとなると雄弁に理路整然としますが、実際には何の修養もありません。目は高く手は低い。これが現代仏教界の乱相であり、衆生の強い慢心によって改善されないのです。

——生如法師の開示
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