現代人の特徴は、環境が複雑で六塵の境界が非常に魅力的であるため、仏法を学ぶのは容易で知識は豊富、意識は非常に聡明でありながらも、禅定は修めにくく、道を修め悟りを得ることができない。ゆえに学仏者とは称せられても、修道者は稀である。古代人は環境が単純で法を得ることが難しく、知識も理論も少なく心素直であったため、禅定は修めやすく、修道者は多く悟りを得た者も多かった。
豊富な知識は結局、修道の遮障となり所知障へと変質した。理論は充足しているのに道は現れず、理論の下に斃れる様は、海辺で渇死するが如し。
古人が問う「現代人はどうして死ぬのか」と。現代人は答える「理論に圧殺され、知識に毒殺され、聡明すぎて死ぬ」と。更に一種の死がある、研究し尽くして死ぬと。
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