第八識は常に意根の思心所に可能な限り協力し、意根の全ての要求と需要を満たすことに努め、一片の不満も抱きません。しかし意根に福徳の受用があるかどうか、種を蒔いたことがあるかどうか、種子が成熟しているかどうか、果報が生長する条件が具足しているかどうか、これは非常に大きな問題です。これらの条件が具足していなければ、第八識は意根の求めるものを満たすことができません。
世の中の様々な不如意は、第八識が意根の需要を満たせないことを示しています。意根に何らかの要求があっても満たされない時、初めて不如意を感じるのです。もし意根に要求がなければ、不如意の感慨や覚受も生じません。元々その目標を設定しておらず、その方面への要求がないからです。要求がなく、意志がなく、欲望がなければ、当然果実を得ようとは思わないのです。もっとも意根が設定する多くの願望は、意識が知るところではないため、なぜ意根が不機嫌になるのか、なぜ理由もなく物悲しさを覚えるのか、なぜ理由もなく他人の得たものを妬むのかが理解できないのです。
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