無辺王、自ら福徳の力を試す
原文:大王よ。彼の無辺称王はある時、突然このように思惟した。「我は自らの福徳の力を試すべきである。我が福徳によって、四天下の全ての樹木花果を繁茂せしめ、尽きることなく享受させよう」と。この念いを起こすや、四天下の全ての花果は栄え輝くに至った。
釈:仏は説かれた。大王よ、この無辺称転輪王はある時、突然一つの考えを抱いた。「我が福徳の大きさを試すべきだ。この福徳の力をもって南贍部洲・東勝神州・西牛賀洲・北倶盧洲の四天下全ての花果樹木を繁茂させ、生長した後も尽きることなく永遠に収穫できるようにせよ」と。無辺称転輪王がこの念いを起こすと、四天下の全ての樹木花果はまさに願いのままに繁栄し、実り豊かになった。
福徳がなければ、一本の苗木を健全に育てることさえ叶わぬ。ましてや四大洲四天下の花果樹木をや。転輪王は四天下の花果樹木をことごとく繁茂させ、生い茂る瓜果は極めて豊かに実り、四天下の衆生が尽きることなく享受できるようにした。転輪王の一つの念いでこれほどまでのことが成し遂げられたとは、その心力の強さはいかほどか。それは心力の作用か? 実は福徳の力によるものである。
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