問:地水火風の四大は一切の有相のものを構成しますが、意の動きや識の動きもまた風の作用なのでしょうか? 一切の無情物、例えば杯、急須、草木にも如来蔵はあるのでしょうか?
答:意の動きや識の動きそのものは識性の作用であり、七識の心所法が運行しているためです。風が識を動かすことはできず、ただ物質を動かすのみです。地水火風の四大は、有相の色声香味触法という六塵の境界を構成しますが、無相の心法を組成することはできません。無情物には単独の如来蔵が運行しているのではなく、共業の衆生の如来蔵の執持作用を受けることにより、無情物に生住異滅の現象が生じるのです。
三界は唯識であり、一切の法に自体性はなく、全て如来蔵から生じ如来蔵に執持されているため、如来蔵の外にある法は一つも存在しません。如来蔵が生じた五陰身は有情であり、衆生と呼ばれ、寿命と生命活動を有します。これを殺せば罪過があります。逆に、五陰の作用を持たない無情物を破壊したり飲食したりしても、殺生の罪にはなりません。物体には色受想行識という五陰の生命活動がないためです。
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