父子合集経講話（二〇九）

無上菩提は世間の一切の邪見を打破することができる

無上菩提は世間の一切の邪見を打破することができます。邪見はどこから生じるのでしょうか。これもまた我見から生じるものです。凡夫は果位を証得する前、常に「我」が存在すると考え、色身が我であり、五陰が我であると見做します。我を基点として展開される様々な知見は、全て邪見に属します。仏法を修証することは一切の邪見を打破し、有情の一切の罪悪を滅除することができます。初果を証得すれば、我に関する邪見など三つの結びを断ち切り、無始劫以来積み重ねた三悪道の業を消滅させ、未来永劫三悪道に堕ちることはありません。残された業報はただ人間界に報いを受け、人間界で苦しむことになります。人間界での苦しみがいかに甚だしくとも、三悪道に比べれば楽であり、受ける苦しみも軽微なものです。