物質色法の質礙性は意根の堅固な妄想による

一切の物質色法は、四大種子の微粒子によって構成されています。衆生の堅固な妄想心から見れば、全ての物質色法には質量と障礙があり、互いに融通し超越することができません。実際は全くそうではなく、これは無量劫以前から現在まで続く錯覚であり、いつまで続くかもわかりません。物質色法の実際の状態とは何でしょうか。それは億万倍の顕微鏡で照射した際に現れるように、全てが無秩序に運動・変化する生滅変異の粒子であり、原子核よりもはるかに微小な量子状態であって、微塵の障礙作用もなく、隙間のない壁や鉄板のようなものではありません。

物質が全て粒子状態であるならば、粒子と粒子の間には障礙性がなく、互いに透過・浸透し合い、あたかも相手が存在しないかのようになります。人体表面の皮膚だけでなく、内側の骨格・筋肉・内臓・腱・爪・髪・血液、各細胞の全てが粒子状態であり、肉眼では全く認識できず、天眼によってのみ感知可能です。最も微小な粒子は科学者の億万倍顕微鏡でも観測できず、それは四大種子が最初に形成する最小の微粒子です。

実際、色法の究竟的な状態とは肉眼に見えない粒子そのものであり、身体は粒子状態を呈し、山河大地・壁・宇宙器界も全て粒子状態を呈しています。従って身体は山河大地・壁・宇宙器界を貫通でき、何の妨げも障礙もありません。人が神通力を得た時はまさにこの状態であり、人の色身と壁が共に粒子で構成されているため、壁を透過できるのです。海水中を移動する時は海が存在せず、須弥山を越える時は須弥山が存在しないかの如くです。

真に修行を深め、深甚な禅定に至った時、意根が身体を実在する物質的障礙と見做さず、あるいは身体を忘却すれば、神足通が現前します。現在我々は、意根が全ての法を堅固な妄想によって形成し、これら全てを実在する堅固で隙間のないものと認識しているため、色身に障礙が生じ、壁に障礙が生じ、宇宙・星空にまで障礙が生じるのです。修行によってこの思想観念を打破すれば、一切の色法は障礙作用を失います。

修行とは禅定において意根の認知習慣を改め、意根の智慧を向上させ、思想観念を開拓するためにあり、衆生は解脱を得、色身もまた解脱するのです。